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世界を変えた50人の女性科学者たち

レイチェル・イグノトフスキー著「WOMEN IN SCIENCE」の日本語版「世界を変えた50人の女性科学者たち」(創元社)デザインいたしました。翻訳は野中モモさん。科学・技術・工学・数学(STEM)の分野で世界を変えるような素晴らしい業績を残しながら、これまで歴史の陰に隠れがちだった女性科学者50人にスポットをあて、その驚くべき研究成果やバイタリティあふれる人生の一部を、チャーミングなイラストとともに紹介。「ズボンをはいた女は厄介だ」なる言葉でも分かるとおり、給料をもらえなかったり、会議から締め出され、支援も受けられず、出世など毛頭期待できないなど、女性というだけで様々な分野で理不尽なまでに虐げられるも、それらを乗り越え、彼女たちの存在が無かったら今の世界の見え方は全く違うものになっていたかもしれないと言わしめる様々な偉業を成し遂げた彼女たちのことをより多くの人に知ってもらいたいです。

原書では、放物線を描いてたり円形に沿ったりと自由なカタチで入った手書きのテキストを日本語に変えていく作業が思いの外大変で、漢字、仮名、数字、ルビ……と日本語はいろんなカタチがあるので原書のような滑らかに曲線に沿わすのが特に大変だったのですが、彼女たちの苦労に比べれば屁のようなものですね。
https://www.sogensha.co.jp/special/womeninscience/

戀愛譚 東郷青児文筆選集

生誕120年ということで昨年から大規模な展覧会が全国で催されている画家・東郷青児。儚げで憂いを帯びた少女の絵画でお馴染みの東郷青児のもうひとつの顔、文筆作品を集めた1冊『戀愛譚 東郷青児文筆選集』をunderson野崎が企画・選・編集、堀口がデザインしました。長らくひと目にふれることなく眠っていた、単行本未収録の貴重な詩やエッセイを収録できたことが本当に喜ばしく、音楽家の小西康陽さんに「恋愛を人生の総てと考える人々」という素晴らしい序文をご寄稿いただくくことができました!
装丁もフランス留学してた東郷だけにフランス装はどうかな?とか(結局丸背の上製本に)、見返しやスピン、花布は一見カバーの雰囲気とは合わないようなビビッドな朱赤なのですがこれは「はっとするような朱赤にしたのは、シックな着物からあざやかな半襟がちらりのぞいてドキッ……」という野崎のアイデア。中の挿絵も、どれが文章に合ってるのだろう?と喧々諤々しながらチョイス。組版も自分の中ではかなりいい感じに組めました。
2月16日よりあべのハルカス美術館「生誕120年 東郷青児展 夢とうつつの女たち」のミュージアムショップにて先行販売、3月に正式に発売されます。

detail/四六版 上製本 カバー:ヴァンヌーボVMホワイト 四六Y130 + マットニス 帯:OKプラナスホワイト 84 表紙:NTラシャスノーホワイト 100 見返し;ディープマット バーミリオン 100 本文:オペラクリームマックス 

愛と家事

2016年、私家版として発売され話題となりました、「家族をつくることに失敗した。」なる書き出しから始まる、母とのこと、家族のこと、結婚のこと、愛のこと、自分を取り巻くあらゆることと向き合い赤裸々に綴った太田明日香さんのエッセイ集「愛と家事」の増補再編集版のデザインいたしました。
本文用紙はほんのりピンクなプリンセスローズ。女性だからプリンセスでピンクという無粋な意味合いではなく母と娘に流れる血を肌を通してみてみたとこをイメージしてみました。帯コメントと著者近影は写真家・植本一子さん、装画は私家版と同じくfuuyaanさん。

detail/四六版 カバー・帯:グラフィーCOC ホワイト  四六Y 130  + マットニス 表紙:気泡紙 U-FSディープラフ 147.5 本文:OKプリンセスローズ  四六Y66

宮沢賢治の地学教室

宮沢賢治作品のなかに織り込まれた、さまざまな地学的な知識をひもときながら高校地学基礎を学べる新感覚の参考書「宮沢賢治の地学教室」(創元社)のデザインいたしました。実のとこタイトルは知ってるものの宮沢賢治作品は教科書レベルでしか読んだことなかったのですが、今回引用部分みてると結構細かく地学的な描写があることを知りました。地学って学生時代はあまり興味がなかったのですが、この年になって学び直しな気分。関係ないのですが、写植やフォントの組見本ってなんで宮沢賢治作品なんだろう?と常々思っておりました。

装画:fuuyanm
detail/A5版 カバー・帯:OKミューズガリバーマット 四六Y 135  + マットニス 表紙:コニーカードシュガー 本文:b7ナチュラル

無形文化遺産ウィーンのカフェハウス

縁あって1年に1冊沖島博美さんのヨーロッパ本をデザインしております。3年目となる今年は「無形文化遺産 ウィーンのカフェハウス〜その魅力のすべて〜」(河出書房新社)。スプーンを逆さまにしてカップの上に置いて出すというウィーンのカフェハウスの仕来りをこの本で初めて知りました。